✦Silent, lonely listening|瀬戸内寂聴へのインタヴュー記事より

(コラムのタイトルは紹介する記事の冒頭にある寂聴さんの写真のキャプションから
/堀尾)

Twitterで精神科医・精神分析的精神療法家の池田暁史さんが紹介していたエッセイを読んだ。

Couched in kindness|19 November 2012|aeon

Jakucho Setouchi is a revered nun and famous novelist, yet few know how psychoanalysis shaped her spiritual life
(訳)瀬戸内寂聴さんは敬愛される尼僧で有名な小説家だが、精神分析が彼女の精神生活をどのように形成したかを知る人は少ないだろう

9年前に京都の寂聴さんのお家で行われたインタビューを元にした記事。

彼女は40代の時、日本初の精神分析家古澤平作の精神分析を受けていたのだそう。

宗教に対するフロイトの考え方とか、親鸞の精神で行う古澤の精神分析とか、『生まれさせられた』とか、他にも色々と興味深かった。

その記事から、リスニングに関わるところを抜粋して紹介。

抜粋:話者は寂聴さん
‘To someone who’s suffering, the importance of that just can’t be exaggerated,’ she tells me. ‘When people come to me for help now, I listen to them and at the end I always find some little thing to compliment them on. And you should see them, they derive so much energy from that. When people are suffering, when they have some kind of complex, or when they’re lonely, they need someone to notice them, simply to recognise them. So when someone who’s in real trouble comes to me now, I think to myself, “What was it that Kosawa did for me?” And I try to emulate that. I try to do exactly that — although now it’s become part of my own style.’
Couched in kindness|19 November 2012|aeon

「苦しんでいる人にとっては、その重要性は計り知れないものがあります、」彼女は私に言った。「今、私のところに助けを求めてくる人がいたら、私はその人の話を聞いて、最後には必ず何か小さなことを見つけて褒めてあげるのです。そうすることで、彼らは大きなエネルギーを得ているのです。人が苦しんでいるとき、コンプレックスを抱えているとき、孤独を感じているとき、誰かに気づいてもらいたい、単純に認識してもらいたいと思っています。だから今、本当に困っている人が私のところに来たら、『古澤が私にしてくれたことは何だったんだろう?』と考えて、それを見習うようにしています。そして、それを真似しようとします。今ではそれが自分のスタイルになっていますが」。(DeepL訳)

“lonely”には「ブライアンの真空」を想った。

(文責:堀尾)