アンのフォーカシングTipsを読んで(1)

やさしいフォーカシング—自分でできるこころの処方』』や『すべてあるがままに—フォーカシング・ライフを生きる』など、邦訳書が多数出版されているアン・ワイザー・コーネルさんは、Weekly Tips & Support for Focusing を配信しています。

下記で配信を申し込めます。
Ann’s Weekly Tips | Focusing Resources

各配信は、下記にまとめられています。
Tips Archives – Focusing Resources

これを読んだ連想などをシェアしたいと思います。

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フォーカシング Tip #809, August 25, 2022 より

Gene Gendlin was once asked to define “a person.” He said, “A person is who looks back at you from the eyes.”

Notice how these definitions are not abstract. They are situated, here-and-now, in living and interacting.

You are alive, you are real, you are here.

(上記引用部分だけでなく全体を)読んで、思いついて、次のことを想像でやってみました。

「瞳の奥のその人」に眼差しを向ける

やってみると、プレゼンスが深まる実感がわきました。
覚えておこうと思います。

「瞳の奥のその人」というのは、ジェンドリンの言葉で”the person behind the gaze”です。

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フォーカシング Tip #810, August 31, 2022 より

このTipの質問は、自分は価値のない人間だと思い込んでいて、誰かに迷惑をかけるような失敗をするとお前は悪い人間だからすべてを台無しにしたと責めてくるパートについてです。

アンは、その部分はすごくパニックになっているのだと述べ共感的な見方を解説し、それに対する関わり方を提案しています。

それらから連想したこと。

フォーカシングしていると、批評家(批判者、自分を責めてくる内言のこと)が出てくることは珍しくありません。
そんな時、冷静にやっていると思っても、あるいは、自分では気づかなくても、コンパッション・フォーカスト・セラピーの3つの円のモデルで言うところの脅威システムが結構大きくなっているのだなあ、自律神経システムで言えば交感神経系が活性化しているのだなあと思いました。

なので、ここは立ち止まりどころ。それや、フェルトセンスや自分自身に、フォーカシング的態度を向け直す要所であることを再確認しました。

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フォーカシング Tip #828, January 18, 2023 より

人生の初期にトラウマがあったけれどフェルトセンスを特定できないという質問者に対して、その出来事を憶えていなくてフェルトセンスを特定できなくても、日常生活の中で生じている困難を入り口にしてその根源まで遡ることができると、アンは応えています。

これを読んで、思ったことです。

これから成り立つ推論は、日常生活の困難についてフォーカシングしているつもりでも、想定していなかったトラウマに触れることがありうる、ということ。

このことからも、フォーカサーは、このことについてフォーカシングして、あるいは、し続けてよさそうかというフェルトセンスをモニターする、という基本の大事さが分かるなあと思いました。

*参考*
こちらの記事に、アンのビデオセミナー「停止したプロセス、トラウマの癒し、内側との関係」についての情報を掲載しています。

アン・ワイザー・コーネル博士ビデオセミナー

(文責:堀尾)