フォーカシング・ネットワークでは、「フォーカシングを学ぶことは、どんな役に立つか」と題し、フォーカシングの効果を久羽トレーナーが紹介しています。

フォーカシングとは?

このコラムでは、具体的に日常生活にフォーカシングが役立つ場面をご紹介していきます。

フォーカシングのある暮らし (1) 今日の調子をチェックする

フォーカシングとは?の小見出しにもあるように、私たちは、日常生活の中で「ちょっと立ち止まって、今ここでの自分自身に注意を向け」ることで、自然で自分らしい、ありのままの自分でいやすくなります。

しかし、「私たちの多くは、しっかりと自分自身を感じ取ること、自分自身に注意を向けることに、あまり慣れていません。」だからこそ、日常生活の中で、ちょっと自分を感じる機会を意識的に取り入れていくことが大切です。

まず手始めに、朝起きた時や仕事や学校が始まる前、今の自分の身体の感じに注意を向けてみませんか?

「今の自分は、どんな感じがしているかな?どんな調子だろう?」と自分の身体全体を感じて、三段階で表現してみましょう。

やる気満々絶好調の〇、まあまあそれなりの△、へとへとくたくたの×で表すとしたら、どれでしょう?

どんな感じ、どんな調子も、今の自分の正直な感じ。

一日をスタートするにあたって、「ああ、今日の自分は、こんな感じなんだなあ」とジャッジせずにわかっておきましょう。

今日一日を、ありのままの自分で、よりよく過ごす余裕がうまれることでしょう。

フォーカシングのある暮らし (2) フォーカシングはお金がたまる???

貯蓄を増やすコツは、無駄遣いをしないことだそうです。
現代社会は、マスメディアからSNSまで、消費行動を奨励するコマーシャリズムにあふれています。
だからこそ、一時的に欲しい気持ちが盛り上がっても、本当に自分に必要かどうか、一度自分に問いかけてみる。
それによって無駄をなくし、本当に必要なものだけを選んで買えるのだとか・・・。

ん? これって、まさにフォーカシングじゃないの!?

「これ、欲しいっ!!」大きな感情が湧き起こったら、まきこまれずに、ちょっと立ち止まってみる。

そして、スペースをとって、確認する。
「本当に、必要かな?」

情報過多な現代、自分の外側にのみ意識を向けているのは、アクセルを踏み続けているようなもの。

意識的にブレーキをかけ、自分の内側を感じることで、安全に、自分だけの景色を楽しむことができます。

衝動的に何か欲しくなったら、「本当に欲しいのかな?必要かな?」と一度自分の内側に問いかけてみるのはいかがでしょう?

入用なものは購入し、そうではないと気づいたものにはお財布を開かない。

もしかしたら、無駄遣いが減って、お金がたまるかもしれませんよ。

フォーカシングのある暮らし (3) 気がかりを整理する

みなさんは、日常の中で、頭の中がごちゃごちゃになることはありませんか?

あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ、あっちはどうなってた?
それもやるべきだったっけ?
こんなこともあったよ~・・・

等、忙しければ忙しいほど、気になることがいっぱいで、なにから手を付けていいのかわかりにくくなること、起こりがちですよね。

そんな時に役立つのが、「クリアリング・ア・スペース」。

フォーカシングネットワークでも使用しているテキスト『フォーカシング・ワークブック』(近田輝行・日笠摩子編著:金子書房)にもあるように、「クリアリング・ア・スペース」は、ジェンドリンのフォーカシングの6ステップの最初のステップで、「すっきりした空間づくり」、気がかりから「間を取る」「距離をおく」方法です。

ごちゃごちゃを整理するための第一歩は、深呼吸。
そして、紙とペンを準備しましょう。

次に、「今、気になっていること、なんだろう?」と自分に問いかけてみます。

「○○のこと」と気がかりが1つ出てきたら、自分にわかるようにメモしておきます。

また同じように、自分に気がかりについて問いかけてみましょう。

「△△のこと」と出てきたら、メモします。

同様に、ある程度頭の中のごちゃごちゃが、紙に書き出せるところまで、問いかけとメモを繰り返します。

気がかりを1つ1つ書き出す

コツは、1つ1つの気がかりに入り込まないこと。

いろんな書類の入ったフォルダに名前を付けておくように、「○○のこと」とだけわかっておきます。

中身の書類を読む、つまり、気がかりを丁寧に感じるのは、後に取っておきましょう。

ある程度気がかりを書き出せた感じがしたら、紙全体を眺めてみましょう。

どんな感じがしますか?

どんなことに気がつきましたか?

どれから手をつけるのがよさそうですか?

ごちゃごちゃを書き出すことで、自分が抱えている気がかり全体を眺めることができ、余裕が生まれます。

丁寧にかかわりたい気がかりも、見えてくるかもしれません。

忙しいときほど、立ち止まって気がかりを整理してみる。お勧めです。

(文章:あべ)

参考

クリアリング・ア・スペースを目的とした様々な工夫が編み出されています。
ご参考にいくつかご紹介します。

近田輝行・日笠摩子編著『フォーカシング・ワークブック』(2005, 日本・精神技術研究所)収載

  • 近田輝行「イメージを使ったこころの整理」:イメージを使い気がかりから間をとる方法。クリアリング・ア・スペースの基本。
  • 土江正司「こころの天気」:心の様子を天気で言い表したり、用紙に描いたりする。
  • 妹尾光男「箱イメージ法」:4つの箱が書かれた用紙を使い、気持ちを整理箱に入れていく。
  • 笹田晃子「紙に描きながら(「こころの整理」)」:紙に描きながら行う。付箋を利用することもできる。

村山正治監修,日笠摩子ほか編著『フォーカシングはみんなのもの: コミュニティが元気になる31の方法』(2013,創元社)収載

  • 近田輝行「公園のベンチ: 描画によるCAS」:あらかじめ公園とベンチ、木々や遠くの山が描かれているワークシートを用いる。