ジェンドリン『プロセスモデル』刊行記念日本ジェンドリン学会第6回大会

ユージン・T・ジェンドリン著、村里忠之・末武康弘・得丸智子訳『プロセスモデル—暗在性の哲学』が2023年2月10日にみすず書房より刊行されました。

みすず書房『プロセスモデル』書影

〈私たち人間は確かに知覚するものであるが、同時にまたより原初的かつより直接的に相互作用する生き物でもある。
私たちはこの生命を他のすべての生き物と共有する。
植物のように、私たちの身体は身体として、私たちの五感とともにのみ生じるものとしてではなく、相互作用する〉

著名な心理学者カール・ロジャーズの共同研究者にして後継者、また、心理療法の技法・フォーカシングの開発者として、ユージン・T・ジェンドリンの名前と業績は今日広く知られている。

一方で、ジェンドリンはそもそも知覚とはどのようなものであるかを、深く探究していた。
本書は、ジェンドリンが心理学分野における主著『フォーカシング』を上梓するにいたる研鑽と並行して深めてきた哲学的思索の結晶であり、動植物や人間が生きる世界を包括的に把握しようと試みた理論モデルである。

動物はいかに行動を獲得するのか。
人間はどのように言語を獲得し、いかにして創造することを可能にしてきたのか。
そして、われわれ人間が知覚する以前に「暗在するもの」とは何か――。

近代の科学と哲学が暗黙のうちに前提としてきた還元主義を乗り越え、「新しい人類」像をも提示しようとしたジェンドリンの思考の到達点。

——みすず書房当該書籍ページより

この刊行を記念した日本ジェンドリン学会第6回大会が開催されます。

<開催終了後追記>
開催時の録画を視聴することができます。下記のお知らせをご参照願います。
ジェンドリン『プロセスモデル』刊行記念日本ジェンドリン学会録画動画

訳者より本書の特質や見どころを紹介し、諸富祥彦氏はじめ『プロセスモデル』の真価を知る方たちから刊行に寄せる言葉をいただきます。
皆さんの参加をお待ちしています。

【日時】
2023年2月23日(木)20:00~21:30

【開催方法】
Zoomによるオンライン開催
参加希望の方は2月22日(水)までに末武(suetake*hosei.ac.jp)へメールでお知らせください。

【参考文献】
Gendlin, E. T. 1997/2018 A Process Model. Evanston: Northwestern University Press.(村里忠之・末武康弘・得丸智子訳2023『プロセスモデル―暗在性の哲学』みすず書房)
諸富祥彦・村里忠之・末武康弘編著2009『ジェンドリン哲学入門―フォーカシングの根底にあるもの』コスモス・ライブラリー
得丸さと子2010『ステップ式質的研究法―TAEの理論と応用』海鳴社
末武康弘・諸富祥彦・得丸智子(さと子)・村里忠之編著2016『「主観性を科学化する」質的研究法入門―TAEを中心に』金子書房

【その他】
参加費無料。不明な点や参加希望等はsuetake*hosei.ac.jp(末武康弘)まで

※上記抜粋中に記載されているメールの宛先の*は半角@に変更してください

日本ジェンドリン学会事務局長諸富祥彦氏のツイート画像より抜粋